プラセンタは子宮内で胎児と母体をつなぐ組織である胎盤を意味します。そのため、プラセンタを抽出できるのは哺乳類のみです。他方、現在は「魚のプラセンタ」と呼ばれる成分が配合されたサプリメントや化粧品も存在します。
魚のプラセンタについて、メリットやデメリットを確認してみましょう。
胎盤は哺乳類特有のものです。そのため、厳密にいえば魚から取れるものは「プラセンタ」ではありません。ところが、現在は「魚のプラセンタ」や「海洋性プラセンタ」と呼ばれる成分が使われたサプリメントや化粧品が販売されています。
「魚のプラセンタ」とは一体何なのでしょうか。
「魚のプラセンタ」や「海洋性プラセンタ」とは鮭の卵巣膜から作られたものです。卵巣膜は鮭の卵であるイクラを包んでいる膜状のものであり、卵を守るために豊富な栄養素を含んでいるという特徴をもっています。
卵巣膜は正確にはプラセンタではありませんが、母体と胎児をつなぎ、胎児を守る哺乳類の胎盤と役割が似ていることから「魚のプラセンタ」と呼ばれています。
豚や羊、ヒトなどの動物から抽出されたプラセンタと比べて魚のプラセンタはエラスチンを含んでいることがメリットです。
エラスチンはタンパク質の一種でコラーゲンをつなぎ合わせる役割があり、これによって肌の弾力や柔軟性が維持されています。ところが、20代後半ごろからエラスチンの分泌量は減少します。エラスチンが減ると肌のハリや柔軟性が減少しますが、魚のプラセンタが配合されたサプリメントや化粧品を使うとハリや柔軟性の維持に効果的です。
また、魚のプラセンタにはヒトの体内で合成できない9種類の必須アミノ酸も豊富に含まれています。必須アミノ酸は筋肉を強くしたり、ホルモンバランスを整えたりとさまざまな面で健康の維持に役立ちます。
魚のプラセンタには成長因子が含まれていないことがデメリットです。動物の胎盤から抽出されたプラセンタは胎児の成長させるためにさまざまな細胞の増殖を促す成長因子が豊富に含まれています。このため、動物性プラセンタを摂取すると肝障害や更年期障害、うつ病などの改善に効果を期待できますが、魚のプラセンタにはこれらの効果はありません。
さらに、免疫力の向上を促す成長因子も含まれていないため、風邪や感染症の予防には動物性プラセンタの方が適しているといえるでしょう。
魚のプラセンタにはエラスチンや必須アミノ酸が含まれている一方で成長因子は含まれていません。メリットやデメリットをよく考えて自分に合ったプラセンタを選びましょう。